ロッコ日記

一日一日があっという間に過ぎていくので色々書き残すことにした。日記・雑記もろもろ。

DF☆大反省会!その3前編

DFの反省会記事も多分これで最後になると思う。

 

Ⅰ.ストーリー構成・セリフなどシナリオ部分に類する物
Ⅱ.マップ・ダンジョン構成や戦闘などのゲームデザインやシステム部分に類する物
Ⅲ.音楽・効果音関連

 

今回はⅢ!このゲームで一番凝ったと言っても過言ではない「音楽部分」についての反省をする。
三回目になりますがもちろんネタバレ注意です。

 

 

前置き
今回の記事ではDFの音楽に関して色々と書く。
もしあなたのお手元にDFのBGMを試聴出来るゲームがあるのなら、是非イヤホンで紹介された曲目を聞きながらこの記事を読んで頂きたいと思う。
そもそも持っている人は限られていると思うけれど

 

あと記事上で訳の分からない専門用語が飛び交うかもしれない。それは読み飛ばすか、気になるのであればグーグル先生でも訊いて下さい。
※専門用語が反省内容の中心になる場合はなるべく分かりやすく解説しようとは思っています。


1.作曲の意義について

まず、音楽性や一曲一曲のクオリティについての反省は置いておいて、DFの音楽の意義について書く。

 

DFをプレイして頂いた方はご存知の通り、使用されているBGMはほぼ全て制作者である私自身が作曲・編曲したものだ。テーマソングからフィールド曲・戦闘曲まで「全部俺」。作曲には膨大な時間をかけた。ゲームデータ本体と同じくらい、時間と労力をかけて作った。


ここで「自分が作ったゲームで使う曲を自ら作っちゃった俺SUGEEEEEEE!!!!」と言いたい訳では無い。

考えるべきは「果たして自作ゲームのBGMにここまで時間をかけることに意味はあったのか」という点だ。

 

自分でBGMを作ったことに関しては、割と無謀なことをしたなぁと思っている。めちゃくちゃ大変だった。
何故BGMを自分で作ろうと思ったかを書くと長くなるが、そもそもこのゲームは自分で作る予定では無かった。シナリオと、BGMを担当するつもりで企画をしていた。けれど、自分で作った方が作りたいゲームが実現するし、色んな意味で苦労が無いだろうし、楽しそうだなぁと思ってツクールを購入した。

つまり、BGMを作ることは、ゲームをツクールで制作することよりも先に決定していたのだ。いわばDFは、音師が作ったゲームということになる。(というよりも、ツクールはどんな知識の無い人でもゲーム制作の入り口に入りやすい夢のあるツールであり、ツクールを使う人の役職なんて関係無かったりする)
そして、「ゲーム本体を制作するから忙しくなる。音楽制作を諦めて素材で賄おう」という考えには至らなかった。

 

話が反れたが、BGMが主体のゲームなど無い。BGMはゲームを引き立てる役割を持つ。音ゲーなど音楽が主体のゲームは除くとして、決して主役では無い。BGMはゲームにとって大切な存在ではあるけれど、ぶっちゃけゲームの評価点にはならないのだ。ゲームがつまらなかったら、「ああこのゲームつまんねぇな」と思われて止められる。「つまらないけど音楽は無駄に良いな」という理由でゲームを続ける人はほとんどいないと思う。そもそもつまらなかったらBGMまで意識がまわらない。タダで手に入るフリーゲームは特に評価が厳しい。

人がやりたいゲームを選ぶ時も、システム説明やグラフィックなど視覚的部分から判断して決める。BGM試聴で決める人なんてほとんどいないし、そもそも試聴出来るゲームもごく限られた市販のものしか無い。

ちなみに自分は「ラストストーリー」か「ゼノブレイド」のどちらを購入するかを決める際、BGM試聴で決めた

 

つまり…… 「BGMに凝るよりも"ゲームの部分"をもっと面白くすれば良かったのに!!!」という点が、DFにおける反省点だ。

 

BGMに凝るなら凝るで、オリジナリティ溢れる音楽をもっと演出に生かしたかったように思う。このままでは、シーンや世界観に合った音楽がただ流れているだけだ。
ミレの戦闘において戦闘音楽が変わったように、あるいは凍り付いた谷に春が来た時、同じメロディでアレンジが違う音楽が流れたように、そんな「音楽を自分で作れるということを生かした演出」をもっと多くゲームに入れれば良かった。工夫した所ももちろんあるけれど、人に気付かれないような地味な工夫しかしていない。この地味な工夫については後述する。それはもうたっぷりと。

 

もう一つ加えると、凝った凝ったと言ってはいるけど、自分は音楽に関してド素人だ。もう一度言う。素人!!!!
音楽に詳しい人がDFをプレイするとぶち切れると思う。
コード(ベースに使っている和音のこと)はめちゃくちゃ。途中で容赦無い変調。サビ無し構成。
何故かって?専門的な勉強したことないから。作曲歴はDF制作開始時点で二年だ。コード進行の法則とか考えずに全て感覚で気の向くままにノート(音)を並べた。
だから、凝ったと言っても一般的にみるとクオリティは低い。
制作途中で素材屋さんのクオリティの高いBGMを聞いて、何度絶望したか分からない。時間をかけて駄曲を練成していると思ったら心が折れそうになった。

 

このように反省(+α)はしているけど、音楽を作ったことについては後悔はしていない。楽しかったです。ハイ。
ただ、自分が制作したゲームに自分で音楽を付けるという行為はもう二度とやりたくない感はある。疲れたし、ネタ切れた。

 

では、ここから曲についての解説をしていく。まずは総括から。


2.DFの音楽について総括

DFの音楽には統一性をもたせてある。「心掛けたこと」以下箇条書き。
・主役が女の子なので、音色やメロディをコンパクトに可愛らしく
・底抜けに明るい曲は作らない
・アレンジを多用し、全ての曲がどこかしら繋がるようにする
・ツインメロディー(メイン・サブの二種類のメロディーが同じタイミングで流れ掛け合いをする)を多く使う

 

「心掛けたこと」とは別に、結果的に起こったこと、問題点
・「コンパクト」ではなく短い曲が多発した
・暗すぎるという指摘があった。明るい曲が無いのでメリハリも無い
・本来サビが必要な構成を要する曲がサビ無しになってしまった
・音量に差が出た
・Eマイナーのコードを多用
・高音が多い
・パーカッションに工夫が無い
・全体的に曲のテンポが速い
・「メロディが存在しない曲」がほとんど無く、人によっては耳に痛いかもしれない

 

最後の二つは、完全に自分の好みで意図的なもので、賛否両論と言ったところだろう。
その他の問題点は経験の浅さが引き起こしたものだ。存分に反省したい。
箇条書きで書いた統一性や問題点については個々の曲の反省に詳しく書く。


3.個々の曲反省

―テーマ曲―

・ボツになったテーマ曲「DFタイトル:ボツ」
 
BGM集に収録されている。この曲は、DF制作の初期の初期に作られ、半年間ほどタイトル曲に使用された。暗いだけで美しくない・ショボイ・パっとしないという理由から新しくテーマ曲を作り差し替えた。
暗いという理由でボツにしたけれど、この曲にはDF楽曲の全ての要素が織り込んである。最初は暗く、途中で大きく盛り上がり、また静かになるけれど最後の一音は明るいという構成、ピアノやオルゴールの音色、曲前半のツインメロディーの掛け合いはサキコとおねえさんの二人を表現した。

 

・現テーマ曲

タイトルそのままの曲。タイトルソングになっている。
ピアノの美しい曲を作りたかったので、MIDIではなくソフトを使ってMP3にした。
ボツにした曲と比較したら落ち着きがある。が、完成度はイマイチ。
おねえさんがサキコに腕輪を渡す、別れのシーンをイメージして作曲した。勿論そのシーンにも使われている。

ピアノの調教(自然に聞こえるように音量などを調節すること)に手間をかけた。一音一音に音量が設定してあって極微小な違いがあるんだぜ。しかし完成度は低く、この曲に関しての好評価は「なんかキレイ」と言われるだけであまり聞かない。

 

シンプルな作りの音楽であればあるほど、メロディーや和音を工夫しないとイマイチな曲となってしまう。この曲がその典型的な例だと思う。胸を打つようなメロディーが出来なかった。

別れのシーンがイマイチ感動出来ないのもこの曲のせいかも……?(BGMを原因にしてはいけない)


・遠い日の旋律

もう一つのテーマ曲。サキコがお父さんに買ってもらったオルゴールから流れる音楽。
作りやすい音域で作ってから、ツクール内部の操作でピッチを上げている。
実は、プロローグやサキコが初めて「記憶の灯火」に触れた時に流れるこの曲はサビだけであり、本当はフルで作るつもりだった……が、作曲の優先度を考慮した結果サビだけの曲となった。

 

明るくも暗くもない三拍子の曲。オルゴールっぽさを出すために、和音にストロークをかけている。永遠に続くような、終わりの無いメロディーを作った。油断していたらいつまでもループする。

作った曲を母に聞いてもらったら「どっかで聞いたことのある感じ」との感想を貰ったので、「計画通り」となった。既視感がある(視ないけど)そんな曲を目指していたのでこれで良いのだ。


ちなみに、ボツテーマ曲の次に作ったのでDF音楽の作曲としては二曲目になる。

 

原曲は無く、もちろんオリジナルではあるのだけれど、祖母の家にあった古いオルゴールを参考にしている。

オルゴールから流れる音楽は、「Fly Me to the Moon」というジャズ曲だ。この曲はアレンジされ様々な所で使われている。最近ではエヴァのエンディングや、ゲーム「ベヨネッタ」の戦闘音楽、CMなどが例に挙げられる。
youtubeで検索したら四拍子のジャズアレンジしか無いが、持っているオルゴールから流れるこの曲は三拍子で、どこか寂しい曲調だ。私が幼い頃からおもちゃ代わりにしてきたこのオルゴールが、DFのオルゴールのモデルとなっている。

 

DFを構想していた当初は「Fly Me to the Moon」をそのままアレンジしてゲームで使おうとも思ったが、曲に元ネタがあるということは意味も付けなくてはならないことと、何より著作権的にアウトであることからオリジナルで作った。

 

ちなみに祖母の家にあった古いオルゴールは、母がお年頃の時代に元彼から貰ったもので、ゴミのように片付けてあったものを幼い私が空気も読まずに発掘したという大変ロマンの無いエピソードがある。


対して音楽について反省していない気がするが、続きは後日にて。